
資格や経験がなくても法律事務所で働くことはできる?
- 法律事務所で働くには資格や経験が必要?
- 法律の知識がなくてもパラリーガルになれる?
- 法律事務所での仕事内容や職場環境は?
テレビドラマなどでも度々取り上げられることから、近年知名度を上げてきているパラリーガルという職種。
主に法律事務所で弁護士の補助をするのがパラリーガルの仕事ですが、
「法律に関わるのだから特別な資格や経験が必要なのでは?」と思う方も多いかもしれませんね。
結論から言ってしまうと、法律事務所で働くのに資格や経験は必須ではありません。
ただし、パラリーガルを志すのであれば、求められるスキルや資質について知っておくべきでしょう。
この記事では、法律事務所で働くために必要なスキルのほか、パラリーガルの平均年収、職場環境などについて、私の職場を例に解説します。
法律事務所で働いてみたい!と転職を考える方は、参考にしてみてくださいね。
【この記事を書いた人】
私は法律事務職員、いわゆるパラリーガルとして働き始めて4年目です。
勤務先は弁護士2人、事務員2人の小さな事務所で、
民事事件・家事事件を中心に幅広く取り扱っています。
事務員としての業務内容も様々で、パラリーガルとして勉強の日々です。
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この記事の目次
法律事務所は「資格なし・未経験」でも転職できる

法律事務所は資格や経験がなくても働ける?
法律事務所は、「運転免許しか持ってない」「法律事務所なんて働いたことない」という方でも就職できます。
私も当時は事務職経験がなく、資格も何一つ持っていませんでしたが、法律事務所への就職に成功しました。
法律という専門性の高い分野で働くことになるものの、パラリーガルの仕事はあくまでも弁護士の補助です。
同じように、弁護士秘書や一般事務などの仕事も、基本的には資格や経験を必須としません。
ただし、事務所によっては実務経験を求めるケースもあるので、求人内容をよく確認するようにしてくださいね。
面接で質問された2つのこと
面接の際、私がどこの法律事務所でも必ず尋ねられた事は、
- 勉強は好きか
- パソコンの操作は得意か
の2点でした。
どちらも「得意です!」と即答すると、どこからもよいご返答をいただきました。
実際に働いてみると、なるほど、重要だったのは最初の知識量ではなく「勉強」と「パソコン」だったとしみじみ思います。
もちろん、他にも質問事項はあると思いますが、この2点について自信を持ってYESと答えられれば、印象は悪くないはずです。
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法律事務所の「資格なし職員」には大きく分けて3種類ある

法律事務所で資格が必要ない仕事は?
1. 法律事務(パラリーガル)
特に法律知識を必要とする仕事を担当する事務員のことを「パラリーガル」と呼びます。
仕事内容はおおむね以下の通りです。
- 訴状や契約書など、文書の作成補助
- 弁護士の業務に必要な書類の収集
- 専門性の高い書類の管理
- 裁判所や法務局などへの手続き
- クライアントの対応
弁護士の仕事はすべて法律に則って行われるので、それをサポートする事務員にも、ある程度の法律知識を求められます。
とは言っても、向上心を持って仕事をしながら学んでいけば、私のように未経験でも十分に対応できますよ!
パラリーガルに求められるスキル・経験
パラリーガルは複数の作業を同時進行でこなす必要があり、
法律に関する知識以外にも効率の良さや丁寧さ、正確さが求められる仕事でもあります。
また、依頼者はそれぞれに悩みを抱えているので、それに対応できるコミュニケーション能力も必要です。
事務職経験や接客業の経験なども十分に活かせる仕事と言えるでしょう。
なお、弁護士が所属している弁護士会には、パラリーガルのための研修や教材も充実しています。
2. 弁護士秘書
弁護士秘書の仕事は、 弁護士の日常業務をサポートすることです。
私の事務所ではパラリーガルと兼ねていますが、パラリーガルとは分けて募集をしている求人もあります。
主な仕事内容は、
- 弁護士のスケジュール管理
- 郵便物やFAXの管理
- 電話や来客の対応
- 専門性の低い書類の整理
などです。
弁護士相手の仕事なので、多少の法律用語は使いますが、パラリーガルほどの法律知識は必要ありません。
一般的な文書作成スキルやビジネスマナーがあれば、未経験でも問題なくこなせますよ。
3. 経理や総務
求人で「一般事務」として募集されている仕事で、事務所の経営・運営に関する事務です。
仕事内容としては、
- 着手金や報酬金などの精算・領収書作成
- 経費や給与の管理・計算・振り込み手続きなど
- 備品などの購入・管理
- 事務所清掃
などが挙げられます。
専門性のない業務なので、特別な資格がなくても働けます。
最近になって、民事裁判のIT化を進める法律が制定されたため、
パソコンの操作やITに関する知識を持っていると仕事を進めるうえで役立つでしょう。
今までWordやExcelしか使ってこなかった小さい法律事務所でも、今後はIT知識のある人材が重宝されると予想されます。
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資格なしのパラリーガルの平均年収は300万円~400万円

資格なしパラリーガルの平均年収はどれくらい?
スタートは300万円~400万円程度
資格なしのパラリーガルの年収は、事務所の形態によって異なります。
弁護士が1人〜5人程度所属している中小規模の法律事務所だと、300万円程度からのスタートが多いです。
一方、弁護士が6人以上の、特に事務所名に「弁護士法人」と付いているような大規模な事務所では、
年収350万円以上、事務所によっては400万円からという求人も多く見られます。
勤務年数やスキルアップで昇給もある
法律事務所には、一般企業のように部長や課長といった役職・階級はありません。
そのため、昇給は基本的に勤務年数に比例します。
私の勤める小規模の法律事務所では、新卒入社で1年目は年収300万円、3年で350万円になりました。
また、仕事の中でパラリーガルとしての専門性を身につけると、昇給が見込めます。
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法律事務所の職場環境

法律事務所は働きやすい?
法律事務所ってどんな人たちが働いているの?
私の勤める法律事務所では、弁護士が2人、事務員が私を含めて2人働いています。
同僚の事務員は、現在大学生のお子さんを持ち、20年以上法律事務所で働いている大ベテランのシングルマザーです。
弁護士は2人とも気難しく、頭が良すぎて話についていくのが大変なこともあります。
ですがその分、ハッキリと意見を伝えてくれますし、質問には明確に応えてくれるので、上司としての頼り甲斐があります。
一般企業からの転職者も多い
同僚や他所の法律事務員さんの話を聞くと、前職は一般企業で働いていたということも少なくありません。
メーカー企業の事務だった方や銀行の窓口勤務だった方、派遣社員だったという方など、様々な人たちが法律事務所で働いています。
忙しいが職場環境は良い
私の働く弁護士事務所は忙しいものの、職場環境には恵まれていると感じています。
弁護士のサポートは複数の業務を同時にこなさなければならず、かなり大変です。
しかし、上司は弁護士という職業柄、合理的に素早く仕事を進めるので、よほど大きな事件が重ならない限り、残業はあまりありません。
私の事務所は弁護士2人が抱えるすべての事件を事務員2人で協力してサポートしているため、
ほとんどの情報や仕事を事務員同士で共有しており、お互いに気安く頼り合えることも働きやすさの一因となっています。
また、法律事務所は土日祝がお休みなので、子育てをしながらでも働きやすいと言えます。
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