- 法律事務所は給料が安いって本当?
- パラリーガルの平均年収はいくらくらい?
- 法務分野で年収をあげるためにはどうしたらいい?
高収入なイメージを持たれがちな法律事務所ですが、実はパラリーガルや事務職員は、「意外と給料が低い」という場合があります。
では実際に法律事務所で働く場合、年収はどのくらいになるのでしょうか?
この記事では、個人の法律事務所で5年ほど事務職員として働いている筆者が、パラリーガルなどの年収やキャリアアップ方法などを、
実体験を元にわかりやすく解説しています。
法律事務所で働きたい!と考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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この記事の目次
法律事務所では5種類の人たちが働いている
法律事務所で働いている人は?
法律事務所という場所で働いているのは、
- ボス弁護士
- その他の弁護士(イソ弁、アソシエイト弁護士)
- 事務職員
- 弁護士秘書
- パラリーガル
といった職業になります。
他に「ノキ弁」と呼ばれる職業もあります。
事務所内の一部を借りて個人的に弁護士活動をし「収入の一部を事務所に支払う」
という形態で働く弁護士ですが、私の知る限りでは、出会ったことはありません。
事務職員・弁護士秘書・パラリーガルの分類はあいまい
上記に記載した、
- 事務職員
- 弁護士秘書
- パラリーガル
の3者は、弁護士資格を持っていない人たちです。
ただし、ほとんどの事務所で、この3つの仕事内容の境目は曖昧となっています。
大手事務所で役割がしっかりと分けられているケースがありますが、
「街の法律事務所」といった規模の事務所では、
はっきりした分類はなく、みんなで手分けしながらやっているのが実態です。
特に弁護士秘書業務は、法律事務職員が仕事の一環として兼任しているのが一般的ですね。
パラリーガルも実際のところ、まだ日本での定着度は浅く、
大手の事務所で取り入れているところもある、といった程度でしょうか。
法曹界でもWEB化が進んでいることもあり、若手弁護士の小規模な個人事務所では、
事務職員すら置いていないところもあったりします。
法律事務所で働く事務員の給料は安い?
法律事務所の事務員の給料は安いの?
法律事務所の世界というのは、個人経営の事務所がそのほとんどを占めています。
そのため、ボス(一般企業で言うところの社長)がどんな人物であるかによって、
事務職員の待遇はかなり変わってきます。
それはそれは本当に、天と地ほどにも変わってくるんです(力説)。
私が務めた当時、大卒初任給の最低賃金が16万円程度というのが相場でした。
そして私の事務所は、漏れなく16万円からのスタートでした。
同時に4人の事務職員が採用されましたが、少し後になって知ったのが、
「この事務所は事務員の回転が速い」という恐ろしい事実だったんです。
弁護士事務所ばかりが入っているビルだったので、
他の事務所の弁護士さんや事務員さんとは、エレベータやホールでよく出会います。
そしてあるとき「事務員さん、また変わられたんですね。毎回回転が速いね」と、
ほほ笑みつつ、魔の言葉を残してエレベータを降りて行きました。
ちなみにその方の事務所は事務員の勤続年数も長く、
昼休みに電話をすると留守電になっていておののきました。
ちゃんと昼休みがある事務所だったんですね。
私の事務所の待遇の悪さはもちろん給与面にも如実に現れ、
初任給から数年は昇給はなく、ボーナスは月給×1.2が年2回でした。
残業はほぼ毎日のことで、下手をすると0時を回ることもありました。
残業代は2時間以降つきましたが、あまり多くなると逆に減らされる、
という謎の法則があったので、残業をするのは本当に嫌でしたね。
勤務時間も9:00~18:00で昼休みなしだったので、実働時間として法律違反になります。
出入りの司法書士の先生が事務側に顔を出す度に、
「相変わらずだね~。まぁ黙っといてあげるよ」と言うので、
「いやむしろ告発して下さい!」とよく事務員みんなで泣きついたものです。
何しろ相手が弁護士なので、下手に逆らうことは出来ません。
法の網の目を知りまくっているプロなんです、勝ち目はないです。
短大卒だった同期が辞めたりで、年下の事務員が入ってきた時点から、
最初から居た私と同期には「役職手当」的なものがつくようになりました。
月1万円でした。
この1万円はいらないから「もう少し仕事を残りの2人に振ってくれ」という気持ちでしたね。
5年かけてようやく、月給が20万円になりました。
という具合に、私の事務所はとんでもないブラックだった訳ですが、
本当にこればかりは入る事務所によります。
大手事務所なら、賃金体系もしっかり組まれていたりします。
その分、毎月1回、事務職員だけのミーティングが仕事終わりに行われる事務所もあります。
待遇については「入ってみなければ分からない」という、
一般の就職も変わらないですが、当たり外れのようなものがありますね。
定年まで終身で務められている事務員さんも沢山いらっしゃるので、
良い事務所に巡り合えるよう、アンテナを張りまくって事務所探しをして下さいね。
法律事務所で働くパラリーガルの給料事情
先述の通り、パラリーガルはまだその地位が確立されておらず、
大手事務所が取り入れ始めている段階です。
ちなみに私が知っている限りの大手事務所さんでは、まだ導入されているところはありません。
給与や年収についても、
- 月給で20~25万
- 年収で300~400万
と、最近の一般法律事務員の給与との差はほとんどないように感じます。
パラリーガルは特別な資格が必要な訳ではないですが、法律の知識が必要であり、
それなりの専門性があることを考えると、私個人の印象では給与相場は少し低い印象です。
給与相場については、
- 東京
- 大阪
- その他地域
などによって、ある程度の差が出ます。
パラリーガルの導入についても、やはり東京の大手事務所の方が多少は多いので、
その点も鑑みて探してみるのがおすすめです。
パラリーガルが高年収になるためのキャリア戦略
1. 未経験者はなるべく年齢的に若いタイミングでキャリアスタートさせること
転職活動というのは、とてもパワーのいるものです。
退職の意思を伝えるのも、考えるだけで憂鬱になりますよね。
ですが、新しいキャリアのスタートは、
- 出来るだけ若く
- 出来るだけ早い
に、こしたことはないんです!
雇用主としては、
- 人材育成
- キャリア形成
を前提としての求人をかけている場合が多いので、若くて伸びしろの多い人を求めがちです。
また弁護士によっては、アシスタントとしてペアのように働くパラリーガルは、
「自分よりも若い人であって欲しい」という傾向があります。
対等とまではいかなくても、
法律知識があって自分をサポートしてくれるパラリーガルが、
自分より年上だとやりにくい、という気持ちは分からないでもないですよね。
未経験の場合は最初からパラリーガルになる訳ではなく、
一般法律事務の年月を経てから、パラリーガルへ昇格する、
と段階を踏む事務所もあります。
どのパターンにしろ、せっかく思い立って決心したからには、
パラリーガルへの夢を叶えるため、少しでも早めに行動を起こすようにしましょう。
2. パラリーガルでより高収入を得るための方法
パラリーガルや法律事務職員が収入をアップさせるためには、
自分自身の能力に「付加価値」をつけていきましょう。
例えば、
- 行政書士
- 司法書士
など、別の資格を併せ持つことで、関わることの出来る業務が圧倒的に増えます。
法律事務所では、パートナーとして、
- 行政書士
- 司法書士
- 税理士
などと、仕事上の関係を結んでいる場合がほとんどです。
事務職員としてだけではなく、そのような資格を取得することにより、
自身の立場がぐっと上がって収入アップに繋がります。
きつい仕事をしながらの資格取得は簡単ではありませんが、
- 行政書士
- 社労士
などの資格取得からはじめてみるのをおすすめします。
これらの資格は、将来的に自身で一本立ちすることも可能な、心強い資格です。
また、収入アップのために少しでも条件の良い、
他の大手法律事務所への転職という手もありますね。
パラリーガルの基本要素として「英語力」が求められることが多いので、
早めに英語力を身につける、ということも大切です。
国際的な事件を扱っているような大手法律事務所への転職ができると、
年収は350~600万円と、確実にアップさせることが出来ますよ。
他には、一般の大手企業の法務部へ転職するというのも一つの手段です。
法律事務所業界は、どうしても一般企業に比べ、事務員の給与が低い傾向にあります。
私の就職当時の法律事務の初任給相場が16万円程度であったのに比べ、
一般企業の事務職は18~20万円が相場だったことからも、
比較するとよく分かりますね。
さすがに大手企業となると、求められる人材の条件も厳しくはなりますが、
年収が500万~1000万円と、各段にアップします。
せっかくのパラリーガルの経験や知識を、正当に認められなければもったいないです。
自身の評価アップのためにも、持っているスキルをさらに磨き、
高収入を目指していきましょう!
ブラックな法律事務所で働く職員の雇用環境は悲惨すぎる…
これから法律事務所への転職を検討している人は、
労働環境劣悪なブラック事務所にまちがえて入社しないように注意してください。
ブラック事務所で働くのって、
有資格者/無資格者を問わず悲惨すぎます。
↓例えば、こんな感じで搾取されながら、
しんどい働き方をしている人は少なくありません。
- 代表弁護士がパワハラで、罵声が日常的に飛ぶような職場…。
- 未経験新人なのに、何もわからない状態で現場に出され放置される。
- 常にサービス残業で最低賃金レベルの給料しか稼げない…。
- 無意味な飲み会にしょっちゅう強制参加させられる。
- パラリーガルは雑用扱いで、ちゃんとした実務経験を積めない…。
↑実はこれ、私自身が過去に経験したブラック事務所の実態なんです…。
(結局、その事務所はさっさと見切りをつけて別の事務所に転職しました。今から考えると本当に無駄な時間と労力でした…)
法律事務所ってどこも小さな組織ですから、
経営者である代表弁護士がほとんどの権限を持っています。
労働組合みたいなものも普通ありませんから、
代表の考え方によってはブラック企業そのもの…
みたいな雇用環境になってしまうことが少なくないんです。
もちろん、こんなブラックな法律事務所ばかりではありませんよ。
職員の離職率を少しでも下げ、長く働いてもらうために、
↓ホワイトな労働環境を作る努力をしている事務所もたくさんあります。
どうせ働くなら、
相場より高いお給料を払ってくれて、
雇用環境的にも働きやすい事務所で働きましょう。
これから初めて働く未経験の方も、
雇用環境に配慮しているホワイト事務所の方が、
しっかりとした教育を受けながら実務経験を積めますから、
長期的に見てもキャリアにプラスになりますよ。
ホワイトな法律事務所の求人は、
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将来独立する人や、未経験の人も給料にはこだわるべき
- いつかは独立するから、勤務時代のお給料にはこだわらない。
- 若いうちの苦労は買ってでもすべき…。
- まだ未経験なので、法務の実務経験を積めればどこでもいい。
↑こうした理由で、とりあえずはブラック事務所でもいいや…
という感じで勤務先を選んでしまう人は少なくありません。
しかし、こういう職場の選び方は絶対にやめた方が良いです。
将来的に法律家として独立するにしても資金は必要ですし、
どのぐらいのお給料を稼ぎながら働くかは、
法律家として仕事へのプライドを持てるかどうか?にも関わってきます。
ブラック事務所は人材教育もぞんざいであることがほとんどですから、
積める実務経験の質も低くなりがちなのも問題です。
これから未経験で法律事務所への転職を目指す方も、
すでに法律事務所で働いている実務経験者の方も、
お給料や雇用環境にはしっかりこだわるようにして下さい。
同じ働くなら、稼げるお給料は少しでも高いにこしたことはないですしね。
今すぐは転職できない人も、やっておくべきこと
今すぐは転職するかどうかわからない、
まだ転職活動を始めることができない…という方も、
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良さそうな求人を見つけたら、ブックマーク保存しておきましょう。
これを早めのタイミングでやっておくと、
いよいよ転職活動をせざるを得ない…となったときに、
たくさんの選択肢の中から求人を選ぶことができて有利です。
転職活動の成功/失敗って、
良い求人に、良いタイミングで出会えるか?
によってほぼ決まってしまうのが現実です。
「能力的に優秀でやる気がある人なら、必ず良い事務所に入れる…」
というわけではないことに注意して下さい。
逆に言えば、経験的にまだ自信が持てない人も、
転職活動のやり方が上手なら、
ホワイト事務所に入れるケースはたくさんあるってことですね。
転職活動って人生でそう何度もやることではないですから、
なんとなく…で進めてしまう人も少なくありません。
特に、退職ギリギリのタイミングで求人リサーチを始めてしまい、
良い求人がなかなか見つからず、
あせってブラック求人に応募する…
みたいな失敗はとても多いので注意して下さい。
優秀なのに、転職活動のやり方がまずかったのが原因で、
ブラック事務所で働かざるをえない…とかめちゃくちゃ損ですよ。
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