- 法務部経験者は転職しやすい?
- 法務部から法務部への転職の成功率はどのぐらい?
- 法務部の実務経験者が転職で年収アップするには?
法務は実務経験が評価される専門職なので、「転職しやすい」というイメージを持っている方が多いでしょう。
実際にその通りの部分もあるのですが、実際の転職活動ではちょっとコツが必要なので注意してください。
今回の記事ではこれから法務部への転職を目指す人やすでに法務部で働いているけれど、
実務経験者として別の企業法務に転職したいと考えている方向けに転職活動のコツをアドバイスします。
ぜひ参考にしてみてください。
【この記事を書いた人】
前職では売上3,000億円の大手企業(小売業界大手)にて法務を2年、内部監査を1年経験しました。(年収約360万円)転職後は売り上げ200億円の大手企業(サービス業界大手)の法務職へ転職しました。(年収520万円にアップ)。現在に契約書の審査や社内の法律相談をメインに働いています。
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この記事の目次
法務部経験者は転職しやすい?実際に就活してみた感想
実際に法務経験者として転職した感想ですが「転職しやすい」と思いました。
まずは書類選考ですが、40社応募してなんと20社通過しました!
某大手エージェントから一般的な書類通過率は10~30%と言われていたので、この通過率は非常に高いのではないでしょうか。
そして一次面接は15社受け、8社通過しました。
最初に内定が出た企業様は面接一回であり、そこで内定承諾をしました。
7社分の二次以降の面接は受けていません。
エージェントの話によると「多くの企業が25歳以上の経験者を探している」とのことであり、
ちょうど26歳で経験2年の私は市場のニーズにマッチしていたのかなと思います。
転職前の給料と転職後の給料を比較
まずは、私の転職前後の給与を比較します!
転職直前
月収 | 240,000円 (内訳) 基本給:150,000円 各種手当:90,000円 |
ボーナス | 720,000円(3か月分) |
年収 | 3,600,000円 |
転職前、私自身としては不満がありました。
法務職はその専門性が高いので、2年間経験を積んできた自分としてはもっと年収が高くて良いのではと思っていました。
それに加え、前職では大幅な年収アップも見込めなかったので転職活動を開始しました。
転職後
月収 | 372,000円 (内訳) 基本給 :297,200円 各種手当: 74,800円 |
ボーナス | 744,000円(2か月分) |
年収 | 5,208,000円 |
転職活動の結果、約150万円アップしました!
いきなり年収が跳ね上がったので少しプレッシャーもありますが、金額自体は非常に満足の行く結果です。
【※天国と地獄…】企業法務部にはこの「2種類の人たち」がいます
法務経験者が転職で年収上げるコツ
私は転職することで、年収を大幅にアップさせることができました。
それにはちょっとしたコツがあるのです。
- 年収アップが必須なら上場大手企業の法務部を狙え
- 英語力は高評価につながる
- 自分の経験や能力を面接でしっかりアピールする
- 年収交渉は「入社時」しか基本的にできない
法務経験者が転職で年収を上げるコツを詳しく解説していきます。
1. 年収アップが必須なら上場大手企業の法務部を狙え
もし年収アップを主軸に転職活動をするのであれば、上場大手企業法務を狙うべきです。
私自身はあまり企業規模にこだわりはなかったですが、
年収アップを主軸に置いたときに残る求人は上場大手企業法務のものが多かったです。
やはり上場大手企業の方が企業としての体力があるため、福利厚生を含め待遇が良い場合が多いですよ。
2. 英語力は高評価につながる
もし上場大手企業で高年収の待遇をゲットしたいのであれば、英語力をつけることを強く推奨します。
昨今、グローバル化が進んで多くの上場大手企業が海外企業との取引を増やしています。
そのような中「日本語しか分かりません」となると、それだけで求人が限られてしまいます。
自分の英語力を身に着け、企業にアピールするためにもTOEIC等の資格取得を通じて英語力をアップさせましょう!
英会話力まで求められることは多くありませんので、
まずは読み書きを中心に最低限TOEIC600点以上を取得しておくと良いですよ。
3. 自分の経験や能力を面接でしっかりアピールする
年収をアップさせたいのであれば、自分の経験や能力を面接官にアピールしましょう。
その際、できるだけ数値を用いた説明を心がけて下さい。
基本的に前職での年収がベンチマークになります。
そこから大幅に年収を挙げたいのであれば、
自分の経験や能力をアピールした上で、なぜその年収を希望するのか根拠を持たせましょう。
とはいえ具体的にイメージがわかないと思うので、私が実際に面接で話した内容をお伝えします。
アピールトーク例
実際はもっと事細かに話しましたが、それでは長文になるので簡単にまとめています。
「私は社内の契約書のひな形を○種類作成しました。
その成果として、契約書審査にかかる時間を○割程度削減することに成功しました。」
「私は月○件ほどの契約書を審査していました。
審査の際は契約書の文言だけでなく、
契約の目的や背景についても十分に理解するため、現場とのコミュニケーションを大事にしていました。」
希望年収の伝え方の例
私は法務としての経験を2年ほど積み、契約書の審査や社内法律相談の担当者を任されるようになりました。
そのため社内昇進も近く、その場合の給与は○○円になります。
そのため、今回御社に対しても○○円以上を希望させていただきます。
4. 年収交渉は「入社時」しか基本的にできない→どういう会社に入るか?は超重要
法務など事務系職種は、年収の交渉は入社時しかできません。
他の多くの職種(特に営業職)では、給与に占めるインセンティブがあります。
個人成績次第で年収が大きく変動しますよね。
法務部の仕事は数値化しづらく、また個人成績で評価される職種ではありません。
そのため、給料テーブルは基本的に固定されているのが普通なのです。
例えばですが、数年以内に年収が100万円以上アップすることはほぼないと考えておいた方が良いでしょう。
会社選びはとても大事
一度入社してしまうとその会社の給与テーブルにのりますので、年収交渉が非常に困難となります。
そのため、会社選びを適当にしてしまうと後悔することになるでしょう。
重要なのは、自分の中でしっかりと条件をぶれずに持っておくことです。
そうすることで、自身の希望とミスマッチしている求人を厳密に絞り込むことができますので、
入社後に「こんなはずじゃなかった」となることも少ないです。
常に求人情報へのアンテナは張っておき、自分の希望とマッチする求人が来たらすぐに応募できるようにしておきましょう。
【※天国と地獄…】企業法務部にはこの「2種類の人たち」がいます
まとめ
今回の記事内容をまとめると以下の通りです。
1. 年収アップが必須なら上場大手企業の法務部を狙え
2. 英語力は高評価につながる
3. 自分の経験や能力を面接でしっかりアピールする
4. 年収交渉は「入社時」しか基本的にできない→どういう会社に入るか?は超重要
現在、法務経験者の転職は売り手市場の傾向であり、キャリアアップの大チャンスです。
求人紹介や書類・面接対策が全て無料で使える法務専門のエージェントをフル活用すると良いですよ。
ここまでで紹介した年収アップのポイントを意識しつつ、自分の希望する年収をつかみとっていきましょう!
法務には「2種類の働き方」をしている人たちがいる
企業法務は人気の職種ですが、
↓大きく分けて以下の2種類の働き方をしている人たちがいます。
- ホワイト企業で働く法務
未経験でもきちんとお給料を稼ぐことができ、残業も少なく社員として尊重されながら働く法務担当者。 - ブラック企業でしんどい働き方をする法務
年収300万円未満が相場。職場ではほぼ「使い捨て」「売上を上げていない部署=お荷物」のような扱いをされ、新人はろくな研修もなく現場に出されて放置される…。
↑実はこの2つ目の法務の仕事って、
新人時代の私が経験した職場なんです。
年収も250万円前後からスタートで、
貯金ゼロのギリギリの生活でした…。
入社した最初の週からサービス残業させられ、
「仕事は先輩を見ながら覚えて」といきなり現場に出されて、
教えてもらっていない仕事でミスをすると罵倒され…と散々な目にあいました。
結局このブラック会社の法務では1年半ほど働いたんですが、
さすがに我慢ができなくなって別の会社の法務に転職しました。
今から思えばさっさと転職すればよかったです…。
私が初めて法務になったのは10年ほど前ですが、
最近ではかなりブラック企業も減ってきた印象です。
ただ、それでも世の中的にはブラックな法務職の求人はまだまだ存在しますので注意して下さい。
↓実際の求人を見るとよくわかるかと思いますが、
ホワイト企業の法務求人と比較すると、労働条件の差は歴然としていますね。
↑この2つはどちらも「未経験OK」の求人ですが、
稼げる給料の金額はかなり違います。
2つ目の「年収低くてしんどそうな法務求人」に、
あえて応募する人なんていない…と思われるでしょう。
ただ、実際にはかなり優秀でやる気があるのに、
安い給料で働かされている法務職もいるのが現実です。
なぜこういうことになるのか?というと、
法務職って営業マンのように、
「自分の営業成績でお給料やボーナスの金額が決まる職種」ではないからです。
法務の給料は、
自分が所属する会社がきちんと利益を出しているかどうか?でほぼ100%決まってしまいます。
どんなに優秀でやる気のある人でも、
入社する会社が悪いと低年収になってしまうんです。
逆に言えば、能力的にあまり自身がない実務未経験者であっても、
入社する会社がたまたま良くて、
ホワイトな環境で働けてる人もいるってことです。
なんだかずるい感じがしますが、
世の中的にはこういうことって普通にあるものです。
同じ働くなら、しっかりとお給料を稼ぎつつ、
まわりから感謝されながら仕事をしたいですよね。
ろくに利益の出ていないブラック企業で働く法務は地獄すぎる
くりかえしになりますが、
法務は営業マンと違って「営業成績で給料が決まる」という職種ではありません。
なので、どうしても所属する会社の業績に応じて給料が決まることになります。
タチが悪いことに、業績の悪い会社って職場の雰囲気も最悪になりがちなんですね。
みんな余裕がないので、営業マンたちからは「法務は利益を出していない部署(お荷物の連中)」みたいな扱いをされがちです。
新人の教育環境も悲惨になりがちですね。
右も左もわからない状況で、
いきなり営業さんが持ってくる契約書のリーガルチェックなどをやらされ、
ミスをすると人格を否定されるレベルの罵倒が飛んでくる…みたいなこともあります。
(実際、私の法務新人時代の会社はそんな感じでした。思い出すだけでお腹がキリキリしてきます…)
法務としてとても優秀なのに、
応募する会社をまちがえてしまったばかりに、
ブラックでしんどい働き方になってしまっている人はたくさんいるのが現実です。
法務のホワイト求人は「法務求人専門の転職サイト」で探そう
このように、法務は入社する会社によって働き方がまったく違ってくる職種なので、
転職活動時に応募する会社をまちがえないようにすることが大切です。
あなたがどんなに優秀な人だったとしても、
ここをまちがえるとブラックでしんどい法務…になってしまう可能性が高いです。
ブラックな会社の法務部で働きたくない人は、
↓法務の求人専門の転職サイトで求人を探すようにしましょう。
ヒュープロ(法務求人専門の転職サイト)
企業法務の求人探すならここ!
ヒュープロは、法務求人が豊富な無料転職サイトです。
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↑こちらは企業法務や法律事務所など、
法律関係の求人を専門で集めている転職サイトです。
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いろんな職種の求人を雑多に扱うリクナビやハロワなどとは、
提示されている労働条件(年収など)のレベルが全く違うので、驚かれるかもしれません。
法務の求人を探すならこういうところで探しましょう。
今すぐは転職活動できない人もやっておくべきこと
- いまの会社に不満はあるけれど、今すぐ転職するつもりはない。
- いろいろ事情があって今すぐに転職活動を始めることはできない。
- ただ、いまの会社で定年まで一生働く…とかは絶対に無理。
↑この記事を読んでいただいている方の多くは、おそらくこういう状況だと思います。
転職なんて必要ないならやらないにこしたことはないですし、
転職活動ってはっきりいってめんどくさいですよね。
仕事からクタクタに疲れて帰ってきたら、
パソコンを開くことすらしんどいのが普通です。
ただ、今すぐは転職できない人も、
転職サイトへの無料登録はやっておいた方が良いです。
いま働いている職場でストレスや疲労が溜まってくると、
転職サイトに登録する作業でもやる気がなくなります。
そうなると、今の職場への依存がさらに高まってズブズブと泥沼にハマりがちです。
転職サイトで無料アカウントを作っておくと、
自分の希望条件にマッチした会社の求人が出るたびにメール通知してもらえます。
「ここちょっといいかも」と思える会社の求人を見つけたら、ブックマーク保存しておきましょう。
これやっておくだけでも、
いざとなったら転職もあるという選択肢を確保することができます。
過労やストレスで倒れてしまう…という最悪の事態になる前に、対策を講じておくことが大切ですよ。
転職サイトは、誰でも無料で使えるものです。
無料アカウントを作って、希望する年収や残業時間などの情報をしっかり目に入力しておきましょう。
(良い情報が自動的にスマホに入ってくる仕組みを作っておくことが大切)
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