- 法務部の仕事は激務できつい?
- 新入社員はどんな業務からスタートするの?
- 仕事のきつさにみあった給料はもらえる?未経験の場合、平均年収はいくら?
企業の法務部と聞いて、どんな仕事内容をイメージされるでしょうか?
法律ルールをあつかう部署というぐらいだから、
コンプライアンスもちゃんとしていて残業とかも少ないのでは?
なんてイメージをお持ちの方も多いかもしれませんね。
(残念ながら、必ずしもそうではないのです…)
この記事では、上場企業の法務部の仕事内容について解説します。
私は「街の小さな法律事務所勤務」から「上場大手企業の法務部」
に転職した経験があるので、
「同じ法律関係の仕事でも、所属する組織によってどのぐらいの業務量の違いがあるか?」
について、客観的な比較ができると思っています。
法務部の仕事のリアルな実態を知りたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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この記事の目次
法務部の仕事はきつい?未経験で入社したての新人にあるあるな悩み3個
1. 人材不足・人手不足で激務
法務部というのは、基本的に人材不足・人手不足の状態になっている会社が多いです。
法務という仕事は専門知識が必要ですから、
社外から経験者を募集するのも、社内で新人を育てるのにも時間がかかるからです。
例えば、現在私が所属する会社は資本金1000億円規模の「大会社」ですが、
法務部員は20名程度しかいません。
営業部などは数百人・数千人単位でいるのが普通なのと比べると、
ものすごく小さな組織なんですね。
この人数で会社のすべての法務をこなしているので、
どうしても人手不足になり仕事も激務になりがちです。
私の会社の法務部の仕事量(残業はある?)
少しずつ改善されつつありますが、若手だった頃は、
8時半に出社して、22時ギリギリまで業務をしていた時期がありました。
- 抜本的な業務内容の見直
- 人員の補充などの改善
がなければ、忙しくてきつい状況が続く会社も多いのが現状です。
ただ、仕事の忙しさというのは、法務部に限らず入社した会社によりますよね。
そして、一定程度の規模の会社であれば、
きつい状況が続けば人員の補充がなされることが一般的です。
また、法律事務所などと比べた場合、
マネージャーなどでなければ基本的には労働法で守られ、残業代ももらえます。
なお、マネージャーになると手を動かす作業は減るので、一般スタッフより早く帰宅できる傾向です。
もちろん、一般スタッフに指示を出すなどマネジメントをするので、
責任のある立場にはなります。
そのため、人によっては一般スタッフよりも業務時間が長いこともありますが、
マネージャーになると組合員ではなくなるので、残業代などは出なくなります。
2. タフなメンタルが求められる仕事内容
仕事内容的には、タフなメンタルが求められます。
会社の命運を左右するような、
- 訴訟対応
- 重要な案件
をハンドリングしなければならないことがあります。
例えば、メーカーであれば製造物責任を問われるようなケースで、
自社の製品により「生命や身体に危害が及んだ」と訴えられるというものです。
実際、訴訟を担当していて気を病んで鬱病になってしまった方もいます。
訴訟になるほどこじれてしまった案件にもなると、解決するまでの道のりは長いです。
相手方の弁護士による主張を読むと、まるで自分の会社、
そして自分が悪いかのような気持ちになってしまうことがあります。
当然、会社としては反論していきます。
そのために、
- 外部の弁護士
- 社内の様々な関係者
の意見を統一するため、調整ハンドルを行います。
これがまた大変で、メンタルをしっかり持っていないとかなり辛い気持ちになってしまうんですよ。
3. 法律知識以外のスキルも求められる
法務部の仕事は、法律知識だけでは業務を進められません。
- 法律知識
- ビジネス感覚
- 英語力
- コミュニケーション力
などを、総合的にバランスよく身に付けておく必要があります。
ビジネス感覚
ビジネスの知識がないと、軽重判断をする感覚がなく、頭でっかちになってしまいます。
例えば、低リスクの取引における契約書について、ガチガチに法律上の主張をし、
うまく締結できず、最悪の場合には取引自体なくなる…なんてことも考えられます。
その他、リスクばかりを提示して、
どうすればいいのかについてアドバイスができない…なんてこともありえます。
法律の話のみに囚われた頭でっかちの考え方をしてしまうと、
実践的な解決策に結びつかないなど、的確なアドバイスができないんですね。
英語力も必要
また、海外との取引があれば英文契約も必要になるので、英語力も必要です。
TOEICでいうと、700点から800点くらいを目安にしている会社が多いでしょうか。
トラブルや法律の解釈が必要になれば、海外の弁護士とやりとりすることもあります。
スピード感を持って働く能力が必要
法律とビジネスを結びつけて考えるという「緻密な作業」をしながら、
さらにスピード感も求められます。
特に、法務部での主な業務となる契約審査では、スピードが必須です。
なぜなら、すぐにでも取引を始めたいのに法務部の審査で時間がかかってしまっては、ビジネスそのもののスピードを落としてしまうからなんです。
- 1日で審査できる法務部員
- 審査に1週間かかる法務部員
とでは、どちらにスピード感があるかは一目瞭然ですよね。
並行して何件も扱っている場合、1週間かかってしまうことも珍しくはないですが、
いかに早く対応できるかはとても重要です。
一方で、
- 決して間違えられない性質の文書である
- 少しの違いで意味が変わってしまう
ものなので、慎重な検討が要求されます。
【※天国と地獄…】企業法務部にはこの「2種類の人たち」がいます
法務部でキャリアスタートするメリットは?
冒頭で人手不足について触れたように、現在売り手市場であり、
ある程度の経験を積めば、転職が見込めます。
きついと思うことがあっても数年頑張れば、
より条件の良いところへ転職することは、そう難しくありません。
未経験で法務部に入社した場合の平均年収
実務経験なしでもOKとするものや、法科大学院修了生の募集もあります。
これらは350万円から380万円くらいの年収で募集しています。
具体的に実務経験の年数を指定していない求人でも、400万円以上のものが多いです。
法務部で実務経験を3-5年積んだ人の平均年収
3~5年ほどの実務経験を積んだ求人は、500万円以上で募集があります。
また、法務部の正社員の平均収入は550万円程度あり、日本の平均収入より高い傾向となります。
もし、新入社員で配属が法務部になって、きついと思っても、数年頑張ってみてください!
一度身につければ、会社が変わっても仕事内容は同じような感じなので、役に立ちます。
マンネリに感じる人もいるかもしれませんが、
頑張った分だけ実務経験を積めるので、頑張って損することはないですよ!
法務には「2種類の働き方」をしている人たちがいる
企業法務は人気の職種ですが、
↓大きく分けて以下の2種類の働き方をしている人たちがいます。
- ホワイト企業で働く法務
未経験でもきちんとお給料を稼ぐことができ、残業も少なく社員として尊重されながら働く法務担当者。 - ブラック企業でしんどい働き方をする法務
年収300万円未満が相場。職場ではほぼ「使い捨て」「売上を上げていない部署=お荷物」のような扱いをされ、新人はろくな研修もなく現場に出されて放置される…。
↑実はこの2つ目の法務の仕事って、
新人時代の私が経験した職場なんです。
年収も250万円前後からスタートで、
貯金ゼロのギリギリの生活でした…。
入社した最初の週からサービス残業させられ、
「仕事は先輩を見ながら覚えて」といきなり現場に出されて、
教えてもらっていない仕事でミスをすると罵倒され…と散々な目にあいました。
結局このブラック会社の法務では1年半ほど働いたんですが、
さすがに我慢ができなくなって別の会社の法務に転職しました。
今から思えばさっさと転職すればよかったです…。
私が初めて法務になったのは10年ほど前ですが、
最近ではかなりブラック企業も減ってきた印象です。
ただ、それでも世の中的にはブラックな法務職の求人はまだまだ存在しますので注意して下さい。
↓実際の求人を見るとよくわかるかと思いますが、
ホワイト企業の法務求人と比較すると、労働条件の差は歴然としていますね。
↑この2つはどちらも「未経験OK」の求人ですが、
稼げる給料の金額はかなり違います。
2つ目の「年収低くてしんどそうな法務求人」に、
あえて応募する人なんていない…と思われるでしょう。
ただ、実際にはかなり優秀でやる気があるのに、
安い給料で働かされている法務職もいるのが現実です。
なぜこういうことになるのか?というと、
法務職って営業マンのように、
「自分の営業成績でお給料やボーナスの金額が決まる職種」ではないからです。
法務の給料は、
自分が所属する会社がきちんと利益を出しているかどうか?でほぼ100%決まってしまいます。
どんなに優秀でやる気のある人でも、
入社する会社が悪いと低年収になってしまうんです。
逆に言えば、能力的にあまり自身がない実務未経験者であっても、
入社する会社がたまたま良くて、
ホワイトな環境で働けてる人もいるってことです。
なんだかずるい感じがしますが、
世の中的にはこういうことって普通にあるものです。
同じ働くなら、しっかりとお給料を稼ぎつつ、
まわりから感謝されながら仕事をしたいですよね。
ろくに利益の出ていないブラック企業で働く法務は地獄すぎる
くりかえしになりますが、
法務は営業マンと違って「営業成績で給料が決まる」という職種ではありません。
なので、どうしても所属する会社の業績に応じて給料が決まることになります。
タチが悪いことに、業績の悪い会社って職場の雰囲気も最悪になりがちなんですね。
みんな余裕がないので、営業マンたちからは「法務は利益を出していない部署(お荷物の連中)」みたいな扱いをされがちです。
新人の教育環境も悲惨になりがちですね。
右も左もわからない状況で、
いきなり営業さんが持ってくる契約書のリーガルチェックなどをやらされ、
ミスをすると人格を否定されるレベルの罵倒が飛んでくる…みたいなこともあります。
(実際、私の法務新人時代の会社はそんな感じでした。思い出すだけでお腹がキリキリしてきます…)
法務としてとても優秀なのに、
応募する会社をまちがえてしまったばかりに、
ブラックでしんどい働き方になってしまっている人はたくさんいるのが現実です。
法務のホワイト求人は「法務求人専門の転職サイト」で探そう
このように、法務は入社する会社によって働き方がまったく違ってくる職種なので、
転職活動時に応募する会社をまちがえないようにすることが大切です。
あなたがどんなに優秀な人だったとしても、
ここをまちがえるとブラックでしんどい法務…になってしまう可能性が高いです。
ブラックな会社の法務部で働きたくない人は、
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今すぐは転職活動できない人もやっておくべきこと
- いまの会社に不満はあるけれど、今すぐ転職するつもりはない。
- いろいろ事情があって今すぐに転職活動を始めることはできない。
- ただ、いまの会社で定年まで一生働く…とかは絶対に無理。
↑この記事を読んでいただいている方の多くは、おそらくこういう状況だと思います。
転職なんて必要ないならやらないにこしたことはないですし、
転職活動ってはっきりいってめんどくさいですよね。
仕事からクタクタに疲れて帰ってきたら、
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ただ、今すぐは転職できない人も、
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いま働いている職場でストレスや疲労が溜まってくると、
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そうなると、今の職場への依存がさらに高まってズブズブと泥沼にハマりがちです。
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これやっておくだけでも、
いざとなったら転職もあるという選択肢を確保することができます。
過労やストレスで倒れてしまう…という最悪の事態になる前に、対策を講じておくことが大切ですよ。
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(良い情報が自動的にスマホに入ってくる仕組みを作っておくことが大切)
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