- 企業の法務部員はエリート出世コースって本当?
- 法務部で実務経験を積んだら転職市場でもひっぱりだこになれる?
- 法務部に配属された人が気を付けるべきキャリアップのポイントは?
法務部に身を置くものとして、
「意外に実態を知られてない部署なんじゃないかなぁ?」
と思い始めるようになりました
契約書の整備やトラブルの解決などの業務の他に
さまざまな調整業務など、業務範囲は意外に多岐にわたります。
また、エリートコースと評価されることもありますが、
意外な事に日本では、法務部出身の経営陣は少なかったりします。
弁護士事務所から、一般企業の法務部勤務に転職した私が、
皆さんの疑問を解消できるような、実際の仕事内容や
キャリアアップの実情などについてお伝えします。
この記事を書いた人
法科大学院卒業後に司法試験に合格し、弁護士10人程度の法律事務所で弁護士キャリアをスタートしました。しかし、いわゆる「街弁事務所」の職場が合わず、企業の法務部へ転職することに。現在はインハウスローヤーとして上場企業の法務部勤続10年目です。男子2人を育児しながら働いています。
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この記事の目次
法務部はエリート出世コース?
社内では、敷居が高くエリートが集まっていると思われています。
しかし、そんな法務部からどういう役職になっていくかというと、
意外にも法務部長までであることが日本企業では多いようです。
海外企業であれば、経営陣に法務部出身者が加わることも多いと聞きますが、
日本企業の法務部では、経営陣に加わることは少ないです。
日本企業の法務部には、弁護士資格保有者がまだまだ少ないとことも一因にあるとは思います。
経営陣に直接報告する機会などは比較的多い部署ではありますが、
なかなか出世に繋がりにくい部署なのかもしれません。
法務部での経験を足がかりに出世するには?
とにかく実務経験を積むことが大切です。
特に、どの企業でも契約チェックは法務部の主な業務になるので、
数年経験を積めば他の企業でも通用するようになります。
国内の契約チェックが一人前にできるようになるまで3~5年と言われ、
とても時間がかかるので、経験者を中途採用することも多いです。
法令遵守が言われるこのご時世では、法律関連のスキルへの需要が高まっており、
法務部での実務経験者は売り手市場と言えます。
このように、一定の実務経験を積めば、
法務のスペシャリストとして転職して年収を上げていくなどの選択肢も出てきます。
大企業の法務部で一定の実務経験を積んだ後、
中小規模の企業の法務部長になることも十分あり得ます。
実際、私の所属する会社でも法務部長は外部から採用しましたし、
課長クラスの人は転職して他の会社の法務部長になりました。
社内での「調整役」になれると評価される
例えば、会社のクライアントとトラブルが生じた時、
トラブルの相手方となっているクライアント、
社内の事業部門の担当者、社外の弁護士、法務部内の決裁者など、
法務部の担当としては様々な人と関わることになります。
トラブル解決に至るまでにはクライアントの言い分に対し、
会社として許容できる内容を法務の観点も加味して決めていかなければなりません。
社外弁護士の見解をわかりやすく担当の事業部門の人に伝え、
法的リスクを理解してもらった上で、事業部門の人に考えをまとめてもらいます。
それをもって法務内の上司の決裁を取ります。
また、案件によってはコンプライアンス部門や経理部門などの、
他部門の見解も踏まえて判断しなければならないこともあります。
事業部門の人が調整を行うこともありますが、法務の問題がメインになっている時は、
法務の担当者がこれらの見解もまとめてコントロールしていくことになります。
事業部門の人にとって専門外のトラブルについて、
外部弁護士や様々な部門の見解をわかりやすくまとめてもらえると、
自分たちの考えをまとめることができるので、同じ社内で感謝されることも多いです。
こういった調整力は専門能力とはまた違いますが、こちらもある程度の年月の経験が物を言うと思います。
【※天国と地獄…】企業法務部にはこの「2種類の人たち」がいます
企業法務部は資格がなくても働ける?
企業の法務部では、ほとんどの人が資格を持っていない人たちと思って大丈夫です。
弁護士資格だけでなく、行政書士や司法書士の資格を持っている人もほとんどいません。
日本企業では新人を採用して、一から育てていくというやり方をとっているところが多いので、
興味のある方はチャレンジしてみても良いかもしれませんね。
ただ、近年の法令遵守等の重要視により育成だけでは間に合わず、
中途採用の募集も多く出ています。
法務には「2種類の働き方」をしている人たちがいる
企業法務は人気の職種ですが、
↓大きく分けて以下の2種類の働き方をしている人たちがいます。
- ホワイト企業で働く法務
未経験でもきちんとお給料を稼ぐことができ、残業も少なく社員として尊重されながら働く法務担当者。 - ブラック企業でしんどい働き方をする法務
年収300万円未満が相場。職場ではほぼ「使い捨て」「売上を上げていない部署=お荷物」のような扱いをされ、新人はろくな研修もなく現場に出されて放置される…。
↑実はこの2つ目の法務の仕事って、
新人時代の私が経験した職場なんです。
年収も250万円前後からスタートで、
貯金ゼロのギリギリの生活でした…。
入社した最初の週からサービス残業させられ、
「仕事は先輩を見ながら覚えて」といきなり現場に出されて、
教えてもらっていない仕事でミスをすると罵倒され…と散々な目にあいました。
結局このブラック会社の法務では1年半ほど働いたんですが、
さすがに我慢ができなくなって別の会社の法務に転職しました。
今から思えばさっさと転職すればよかったです…。
私が初めて法務になったのは10年ほど前ですが、
最近ではかなりブラック企業も減ってきた印象です。
ただ、それでも世の中的にはブラックな法務職の求人はまだまだ存在しますので注意して下さい。
↓実際の求人を見るとよくわかるかと思いますが、
ホワイト企業の法務求人と比較すると、労働条件の差は歴然としていますね。
↑この2つはどちらも「未経験OK」の求人ですが、
稼げる給料の金額はかなり違います。
2つ目の「年収低くてしんどそうな法務求人」に、
あえて応募する人なんていない…と思われるでしょう。
ただ、実際にはかなり優秀でやる気があるのに、
安い給料で働かされている法務職もいるのが現実です。
なぜこういうことになるのか?というと、
法務職って営業マンのように、
「自分の営業成績でお給料やボーナスの金額が決まる職種」ではないからです。
法務の給料は、
自分が所属する会社がきちんと利益を出しているかどうか?でほぼ100%決まってしまいます。
どんなに優秀でやる気のある人でも、
入社する会社が悪いと低年収になってしまうんです。
逆に言えば、能力的にあまり自身がない実務未経験者であっても、
入社する会社がたまたま良くて、
ホワイトな環境で働けてる人もいるってことです。
なんだかずるい感じがしますが、
世の中的にはこういうことって普通にあるものです。
同じ働くなら、しっかりとお給料を稼ぎつつ、
まわりから感謝されながら仕事をしたいですよね。
ろくに利益の出ていないブラック企業で働く法務は地獄すぎる
くりかえしになりますが、
法務は営業マンと違って「営業成績で給料が決まる」という職種ではありません。
なので、どうしても所属する会社の業績に応じて給料が決まることになります。
タチが悪いことに、業績の悪い会社って職場の雰囲気も最悪になりがちなんですね。
みんな余裕がないので、営業マンたちからは「法務は利益を出していない部署(お荷物の連中)」みたいな扱いをされがちです。
新人の教育環境も悲惨になりがちですね。
右も左もわからない状況で、
いきなり営業さんが持ってくる契約書のリーガルチェックなどをやらされ、
ミスをすると人格を否定されるレベルの罵倒が飛んでくる…みたいなこともあります。
(実際、私の法務新人時代の会社はそんな感じでした。思い出すだけでお腹がキリキリしてきます…)
法務としてとても優秀なのに、
応募する会社をまちがえてしまったばかりに、
ブラックでしんどい働き方になってしまっている人はたくさんいるのが現実です。
法務のホワイト求人は「法務求人専門の転職サイト」で探そう
このように、法務は入社する会社によって働き方がまったく違ってくる職種なので、
転職活動時に応募する会社をまちがえないようにすることが大切です。
あなたがどんなに優秀な人だったとしても、
ここをまちがえるとブラックでしんどい法務…になってしまう可能性が高いです。
ブラックな会社の法務部で働きたくない人は、
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今すぐは転職活動できない人もやっておくべきこと
- いまの会社に不満はあるけれど、今すぐ転職するつもりはない。
- いろいろ事情があって今すぐに転職活動を始めることはできない。
- ただ、いまの会社で定年まで一生働く…とかは絶対に無理。
↑この記事を読んでいただいている方の多くは、おそらくこういう状況だと思います。
転職なんて必要ないならやらないにこしたことはないですし、
転職活動ってはっきりいってめんどくさいですよね。
仕事からクタクタに疲れて帰ってきたら、
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ただ、今すぐは転職できない人も、
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「ここちょっといいかも」と思える会社の求人を見つけたら、ブックマーク保存しておきましょう。
これやっておくだけでも、
いざとなったら転職もあるという選択肢を確保することができます。
過労やストレスで倒れてしまう…という最悪の事態になる前に、対策を講じておくことが大切ですよ。
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